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酒井拓司先生 第118回日展入選!

投稿日2025/11/14

日本最高峰の美術展覧会である、第118回「日展」(日本美術展覧会 第五科 書)において、本校の芸術科教諭、酒井拓司(雅号・刻石)先生の出展作品が入選を果たしました!!

本日は作品鑑賞のために現地へ赴かれた学校長の写真と併せて、酒井先生へのインタビュー内容をお届けしたいと思います。(筆者K.I)

 

インタビューに先立ち酒井先生がまず口にしたことは「学校長をはじめ、教頭や芸術家の教員、書道部の生徒など、多くの方々が遠い会場までわざわざ足を運んでくださったことに大変感謝しております。また多くの先生方からの賛辞をいただけて本当に励みになります。」という言葉でした。

入選率は12.5%と、狭き門を突破し名誉ある日展への入賞を果たしたにも関わらず、先生からの第一声は「周りの方への感謝の言葉」でした。「嬉しい気持ちはあるけれど、なんの自慢にもならず、奢ってもいられない。」酒井先生の人柄がこの言葉に込められているような気がします。

一昨年に初めて入賞し、昨年は落選。今年はどのような思いでここまでやってこられたのかを尋ねると、「1回目に入選した後、一度自分の中で停滞期がありました。一工夫しようとしてもアイデアが出ない時期が長く続きました。」と苦労を語りました。そんな苦しい時期を乗り越えたのはラジオを聞いていた時に流れてきたある言葉だったそう。

「人は選ばれていないときが選ばれている時です」

この言葉が心に染み込み、「初心に返りとにかく書くしかない!四の五の言わず書くことでしか道は開けない!」と再びパワーをもらい、この境地を乗り越えたそうです。続けて、「この年齢になると体力も気力もしんどくなってくるんです。だけど、職場にはまだまだすごい諸先輩方もいて、若い先生方も優しい人が多くて日頃パワーをもらっています。さらには書道部員が入賞してくれることや初心者の部員が夢中になっている姿、書道選択の授業で生徒たちが一生懸命書道に向き合っている姿を見ると、心の張りになります。このように人を見て励み、常にアンテナを立てて自分の心を動かす言葉がないかを探すことで乗り越えられました。」と述べていました。

喜びも束の間、すでに次の出展への苦悩が始まっているようですが、一つの作品にどのくらいの時間と思いをかけているのか疑問をぶつけてみました。
「私の場合はものすごく時間をかけます。全84文字を1文字ずつ文字辞典で調べ、この線を出したい!などの線質や文字のバランスなどを1文字1文字に気持ちを込めて書いています。とにかく書いて回数を重ねれば、コツを見つけるスピードも速くなる。もうその一心でやるしかないと思っています。」(酒井先生)

最後に、筆者のような初心者でも展覧会に足を運んだ時に、書を楽しむポイントを尋ねました。「読もうとしなくて良いんです。難しく考えずにピカソが描いたような絵だと思って見たりすると良いと思います。その中で何か迫力や優しさ、色合いの違いなどを感じ取ってもらい、この作品が1つ玄関に置いてあると趣きある雰囲気になるな!のような感覚で楽しんでもらいたいですね。」と、最後の最後まで酒井先生らしくとても丁寧に優しく語っていました。

改めて酒井先生、入選おめでとうございます!インタビューを通じて酒井先生の書に対する思いのみならず、「人として大事なこと」「功績を残せる方の在り方」を学ばせていただいた気がします。

日展は11月23日(日)まで国立新美術館で開催しています。高校生以下は入場無料です。皆さんも是非足を運んでみてください。

https://nitten.or.jp/