10月の中学朝礼 「横浜高校 校歌について」
2016/10/26
中学朝礼 「横浜高校 校歌について」
中間試験を終えたばかりの中学朝礼です。この後は、スポーツ大会が予定されているので、みんな体操服に着替えての朝礼となりました。本日の校長講話は問答から始まりました。
校長 「横浜高校の校歌、何番まであるか知っている人?」
生徒 「4番です」
校長 「よく知っていましたね。では、全部歌える人?」
生徒 「・・・」
校長 「それでは、校歌の歌詞は生徒手帳に書いてあります。その背景を考えていきましょう。」
横浜高校の校歌は、甲子園などでも流れるので1番位は本校生徒でなくても聞いている人は多く、中には歌える人もいると思います。さて、本校は1942年(昭和17年)に旧制横浜中学校として創立し、新制横浜高等学校になって、校歌は1951年(昭和26年)に制定しました。創立時は戦争中でしたが、校歌が出来たのは戦後で、日本が苦しい時代から復興に向かって進んでいる背景がありました。
1番の中の「希望あれ輝け」は、戦後日本が明るい未来に希望をもって進む中、一緒に横浜高校も未来に希望と光を持とうという願いが込められていると思います。世界とつながる日本そして横浜高校。そして、世界平和の願いは2番につながります。
日本だけでなく世界、すなわち人類が世界平和の理想に向かい、「信念あれ」と結びます。ここで、学生・生徒のことを学徒と言っているのは時代ですね。
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ここで、再び問答
校長 「最近のニュースでノーベル賞の話題がありますね。ノーベル賞の中で自然科学分野は日本から受賞者が続いてますね。自然科学は生活に役立つ発明とかあっていいですね。 では(戦後に)物理学賞を受賞した日本人は?」
生徒 「・・・」
校長 「正解は湯川秀樹博士です。ところで今年の文学賞は誰?」
生徒 「ボブ・ディランです。」
校長 「よく知ってましたね。」
湯川秀樹博士は、平たく言うと、原子(アトム)についての研究で受賞、このニュースは戦後の日本人に勇気と希望、未来に光が与えられ、喜びに沸いたことは言うまでもありません。
このノーベル賞受賞は1949年(昭和24年)で、まさに校歌のできる2年前の出来事。
そこで、校歌の3番に「エレクトロン(電子)」あるいは「アトム(原子)」が登場し、「未来のため」と「人の道」と説きます。
ここでは、「節義を持て愛あれ」と結び、信念をかたく守ってほしいと訴えています。
最後の4番は、今日も幸福だった。明日も変わらずに幸福であろう。だから「精励せよ」で力を尽くし励みなさいと大団円となります。
そして今こそ横浜高校は、「希望あれ輝け」で明るい「未来」を描いて行くところです。
横浜高校 校歌(1951年制定)
作詞 尾山篤二郎 作曲 箕作 秋吉
一
朝日直射す富岡の阜
紺碧の波額に迫る
屏風ヶ浦の絶壁を隔てて
東洋一の商港横浜
世界をつなぐ海を朝夕
目に眺めつつ勤み学ぶ
希望あれ輝け横浜高校
二
実に人類の希望をつなぐ
世界平和の理想に向ひ
世紀は既に半を越えぬ
世紀は正にスタート切れり
青春の血を傾け尽し
努めよ吾等青年学徒
信念あれ道あれ横浜高校
三
青春の血を揮ひ起して
先づ何よりも学び取らんぞ
エレクトロンあるいはアトム
未来の為に人道の為
あらゆるもの ゝ さきはひのため
吾等が手もて科学せんかな
節義を持て愛あれ横浜高校
四
夕日は彼方相模の山
茜に深く雲棚曳き
終業の鐘響き渡れば
斯くして今日も幸福なりき
吾等青年未来を信ず
明日も斯くまた変らず在らん
精励せよ高まれ横浜高校
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